これは・・
全然好きじゃない・・というか嫌いな小説です。
今までにも「嫌い」な小説はありましたが、今回のは意味が違う。
いや意味がわからない。これは作品として成立していいのか?マジでどういうこと?
いや、そういう意味ではとんでもなく衝撃的でした。このシリーズを好きな人もいるだろうとは思います。でも私は声を大にして言いたい。いや、スピーカーとかも使って重低音で言いたい。
金と時間を返して、と。
『メルカトルかく語りき』感想
とりあえず言いたいことは山ほどありますが、順に行きましょう。
まず・・・
事件は解決させようよ。
事件が発生したら、解決までがセットじゃないんですか?
お料理番組で、平野レミが食材の紹介して『じゃあ皆様、サヨウナラ〜』って帰っていったらどう思いますか?
金八先生の始業式だけ見たい人、いますか?
『ドラエモ〜ん』って泣きついてきたのび太を見て、何も道具を出さないドラえもんとか、未来からきている意味ありますか?
今回の短編集、答え合わせなし。さんざん引っ張って『この中に犯人となる可能性を持った人はいませんでした』で終わり。
いやいやいや・・・
別に解決方法が無理やりでもいいし、最悪「んなバカな」ってトリックでもいいんです。
なんなら『謎が解けないので、容疑者全員、俺がコロします!』とかでもいいんです。とんでもない終わり方だけど、ちゃんと終わればそれが好きかどうかを判断できるからです。
でも「終わらない」のは本当意味がわからないし、最初も言いましたけどこれで成立しちゃっていいんでしょうか?
何度この本を閉じようと思ったか。5つの短編が収録された本でしたが、もう最後の短編なんて流し読みです。たまにポストに入っているピザーラの広告の方がちゃんと読んでます。
でも一応私も賭けていたんです、きっと最後に答えがあるのだろうと。
「読者の方々心配しないでくださいね、短編を中途半端に終わらせたのは意味があります。最後にまとめてお伝えしますからね」
と言ってくれるのだろうと。それだけを信じて読んでいたのに・・・
本を読み終えた時に残っていた感情は「怒り」だけ。こんなのは我孫子武丸さんの小説『殺戮にいたる病』を読んだ以来です。
他に言いたいところ。
登場人物も全然おもしろくないです。
メルカトル鮎とかいう頭の良い探偵と、その助手の美袋さん。
びっくりするぐらい魅力がない。どこにでも出てきそうなシャーロック・ホームズみたいな「ちょっと変わっている探偵」役と、ワトソンの役目を果たす「普通の感覚を持った一般人」役。
そもそも鮎ってなんだよ。私の年代から言わせてもらえばアユとなのっていいのは「浜崎あゆみ」だけだから。
美袋なんて何度見ても読めない。何度もフリガナ出てきたけど、キャラに特徴なさすぎて興味が湧かないから覚えられない。今調べて「みなぎ」だとわかりました。多分明日には忘れてます。
でも岡山県の美袋って地域はいつか行ってみたいです
探偵のメルカトル鮎が頭良いのはわかるんですが、やたら人をバカにした態度をとるところ。
これが事件を解決しまくって、読んでいるこちらもグウの音も出ないぐらいの探偵だったら、そんな態度も特徴として捉えられるんですけど。
事件を全然解決しないから、ただ性格悪いやつみたくなっちゃってて。全然愛情が湧かない。メインの2人になんの魅力もなくて、短編自体もラストは全て投げっぱなしジャーマンスープレックスで終わり。
だめだ、全然好きじゃねぇ。
ちなみに、読み終わってから知りましたが、この「メルカトル鮎」はシリーズ作品であり、これが現状シリーズラストの作品だそうです。
今後私がこのシリーズを読むかどうかはわかりません。
個人的にはせっかくシリーズものを読むなら登場人物を好きになりたいし、楽しみたい。やっぱり必要なのは「愛すべき人」だと思うんです。
ということで聞いてください。浜崎あゆみで『M』
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