「ミステリー」ってそもそも何でしょうか?
ミステリーとは、一言で言えば「謎解き」です。
世の中には「人が死んだらミステリーだ」とか「犯罪が絡めばそれはミステリーだ」とか「世界ふしぎ発見はミステリーとは認めない!」とか・・・
さまざまな意見があります。
なので今回は、「ミステリーの定義」について調べてみました。
ミステリーの定義とは?
Wikipediaによると、ミステリーとは3種類の要素があります。
- 神秘・不思議
- 神秘劇
- 推理小説などのフィクション作品
それぞれ見ていくと・・・
神秘・不思議
これは英語の直訳で定義したものです。
ミステリーは英語で”mystery”と表記します。”mystery”を名詞として直訳すると・・・
・神秘的なこと、不可解なこと、なぞ
・神秘、なぞ
・(小説・映画などの)推理[怪奇]もの、ミステリー
・(宗教上の)奥義、秘法、秘訣(ひけつ)
研究社 新英和中辞典
また、英語”mystery”の語源はギリシア語の”mystērion”(ミューステリオン)だそうです。
意味は「宗教上の秘密や神秘、普通の人間には知らされないもの」。語源の意味は宗教色が強めですが、「神秘」という意味は同じです。
というように、「神秘なこと」「不思議なこと」がミステリーと呼ばれ、じゃあ「神秘なこと」「不思議なこと」を一言で言うと?となると・・
ミステリー=「謎」、と置き換えることができます。
神秘劇
中世のヨーロッパでは、神に関する知識を文字が読めない人にも理解できるように、演劇として広めていました。
これはミステリーの語源であったミューステリオンの意味合いが強いですね。
「宗教上の秘密や神秘、普通の人間には知らされないもの」を物語にした演劇。これも「ミステリー」と呼ばれています。
推理小説などのフィクション作品
ジャンルとすると「作品中で何らかの謎が提示され、やがてそれが解かれてゆく」といったもの。
我々が考える「ミステリー」とはこのことが近いですね。
謎や事件が発生してストーリーが始まります。それを探偵や刑事、時には一般人がその謎を解いていく。最後にその謎が明らかになる・・・
そんな一連の流れを、我々読者や視聴者は登場人物と共にその謎を解明する過程を楽しむことができる。
これが推理小説です。
推理小説を含め、「謎が解明されていく作品」をミステリーと呼ぶのですね。
ミステリーって結局なんなのさ?
結論、ミステリーとは「謎」であり、
「謎を解決していく作品」がジャンル【ミステリー】です。
なので、「人が殺されたぞ!誰がやったんだ!?」ももちろんミステリーと呼べます。
「学校の七不思議」もミステリーですし、「昨日お父さんが遅く帰ってきた理由」もミステリーですし、「世界ふしぎ発見!で草野さんがみんなに出してるクイズ」もミステリーです。
あれ、もう世の中全部ミステリーじゃん。
ドラえもんはミステリーなのか?
あんなこといいな できたらいいな。あんな夢こんな夢いっぱいあるけど。みんなみんなみんな叶えてくれる 不思議なポッケで叶えてくれる
ドラえもんのうた 大杉久美子
あなたもご存知だと思います、「ドラえもんのうた」。この歌の歌詞には「不思議な」という文字がありますね。
つまりミステリーなポッケです。
こんなミステリーなポッケを持っているドラえもんが主人公のアニメ「ドラえもん」は、ミステリー作品なのでしょうか?
はい、これはミステリーです。
映画バージョンなんて完璧なミステリーですね。
映画「ドラえもん のび太の大魔境」ではアフリカにある巨神像の謎を知るためにみんなで冒険に出かけます。立派な冒険ミステリーです。
また、のび太は「射撃が得意」ということは、多くの人が知っていることと思います。
そして驚くべきが、その射撃の腕がルパン三世の「次元大介」やゴルゴ13の「ゴルゴ」よりも上なんです。
これ以上のミステリー、他にあります?
ミステリー小説とは?
では「ミステリー小説」に絞るとどんな定義になるでしょうか。
ミステリー小説は推理小説とも呼ばれ、一般的には犯罪や事件が発生し、それを解決する探偵や刑事が主人公となることが多いです。
しかし近年では、ミステリーのいわゆる「サブジャンル」も多く登場しています。【ミステリー×◯◯】といった形ですね。
ミステリーのジャンルについては、こちらの記事でまとめました。
一番最初のミステリー小説とは?
世界で一番最初に登場したミステリー小説と言われているのは、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」です。
事件が発生し、知的な探偵キャラクターが登場し、解決へ導く。この今では当たり前となった探偵小説の基礎はここから作られました。
これがのちにアーサー・コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」の誕生につながり、江戸川乱歩の「明智小五郎」につながり・・・
麻酔銃で眠らせてサッカーボールを蹴りまくる「名探偵コナン」に繋がっていくのです。
ミステリー小説に必要なものとは?
世の中なんでもミステリー、と書いてしまいましたが、ミステリー小説と呼ばれるものには最低限必要なものがあります。
それが・・・
- 謎解きの要素
- トリックと伏線
- 意外性のある結末
です。
謎解きの要素
ミステリーとは「謎」。ミステリー小説の中心は、「謎解き」です。
ストーリーの中で提示された事件や謎、時には犯罪がどのように解決されるかが楽しめるのがミステリー小説の魅力の1つです。
なのでいきなり「犯人は俺だ!」と出てきてもらっては困るし、『お前が犯人だろ!』「はい、そうです」なんて簡単に認められても困るのです。
また、謎は複雑でありながらも解き明かすことができるものでなければなりません。
「小説には書いてないけど、実はここに階段ありました〜」なんて小説の作者は、サッカーボールをぶつけられてもしょうがないのです。
トリックと伏線
ミステリー小説において、トリックや伏線は超重要な要素です。
謎を解決するためのトリックが読者にはわからず、でも実行できるもの。そしてそれがオリジナリティに溢れているほど、読者は狂喜乱舞します。
読者がトリックに気づかないようにするためには、巧妙に伏線を張る必要があります。
伏線とは、物語の中で何気なく提示される情報・要素。後に重要な意味を持つことが明らかになるもの。
伏線の貼り方がうますぎると、謎が解かれた時の衝撃度が上がりますし、もう一度読みたくもなります。
意外性のある結末
謎やトリックが明かされた際、意外性がないとおもしろいミステリー小説とは言えません。
「20年間、毎日夜7時には家にいたお父さんが、昨日初めて夜中に帰ってきた・・・」
↓
「残業でした」
これでは話にならないのです。ホワイト企業すぎるのです。
読者の予想を大きく裏切れば裏切るほど、結末は意外性を増します。しかし意外性があっても、読者が「なるほど」と納得できる形でないといけません。
結末が一番重要であるといってもいいほど、ミステリー小説には欠かせないものです。
まとめ
ミステリーって何なのか?
ミステリーとは、「謎」のことです。その謎には大きい、小さいは関係ありません。また犯罪である必要もありません。
私たちの周りには「ミステリー」で溢れています。自身が探偵役となって日常のミステリーを解決していくのも面白いですね。
もし、自分の周りに「謎」が見当たらない方は本の中のミステリーを求めましょう。
おすすめはドラえもんです。