ミステリーの代表的なジャンルを10個紹介します。
ミステリー。
一言でミステリーといっても様々なジャンルがあるのをご存じでしょうか?
実はミステリーにはたくさんのジャンルがあり、それらは根本は同じでも中身は全く違う、というものばかりです。
ミステリーと聞くと「ちょっと怖いな」と拒否反応を起こしてしまう方。
そんな方は今回紹介するジャンルの中から最適なものを見つけてみてはいかがでしょうか?
主なミステリーのジャンル10選
ミステリーには非常に多様なジャンルが存在します。
細かく分けるとかなり多くなってしまいそうなので、今回はよくあるジャンルを「10個」選出し、それぞれの特徴を紹介します。
探偵もの
ミステリーと聞いたらまず思い浮かべるであろうジャンルがこの「探偵もの」です。
日本人に馴染みのある探偵といったら・・・
そうですね、名探偵コナンくんですね。
小説の世界では・・
- コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」
- アガサ・クリスティーの「エルキュール・ポアロ」
- 横溝正史の「金田一耕助」
- 江戸川乱歩の「明智小五郎」
などのたくさんの探偵がいます。
なお、「推理小説=探偵もの」と考える方もいると思いますが、警察署の刑事が推理して犯人を追い詰める推理小説もあります。
なので「推理小説=探偵もの」という訳ではありません。
刑事もの・警察もの
探偵ものと2大巨頭といってもいいミステリージャンルがこの「刑事もの・警察もの」です。
ドラマでよくあるのでわかりやすいと思います。私が一番最初に思い浮かべた刑事ものといえばそう・・・
その通り。あぶない刑事の「タカ」と「ユージ」です。
この刑事ものの作品にも有名なキャラクターはたくさんいて、
- 西村京太郎の「十津川省三」
- マイクル・コネリーの「ハリー・ボッシュ」
- ドラマ『刑事コロンボ』に登場する「コロンボ」
- 誉田哲也の「姫川玲子」
などなど。テレビドラマになっていることも多いので、知名度は高いと思います。
ハードボイルド
刑事ものと似ていますが、一応独立したジャンルとして確立されているのがこの「ハードボイルド」というジャンル。
ハードボイルドとは、いわゆるワイルドないでたちで、ちょっと無骨なタイプの主人公が登場するジャンルですね。物語の舞台が「現実的な犯罪社会」をベースにしているのも特徴の1つでしょう。
キャラクターの特徴は、ルパン三世でいう「次元大介」みたいな感じでしょうか。
時には強引に情報を得たり、ところ構わず拳銃をぶっ放しちゃったりと、アメリカ的なかっこよさの詰まった主人公が魅力です。
有名なキャラクターでいうと、
- レイモンド・チャンドラーの「フィリップ・マーロウ」
などが挙げられます。
ただしこのハードボイルドのジャンルをきっちり分けるのは難しいです。上で紹介したフィリップ・マーロウも私立探偵なので、探偵ものとも言えます。
ハードボイルドは雰囲気的なものが先行しているジャンルとも言えますね。
コージー・ミステリ(日常ミステリ)
ハードボイルドとは逆の位置に置かれたジャンルが、この「コージー・ミステリ」です。ソフトボイルドとも呼ばれます。
コージーとは英語で”cozy”。「居心地のよい、こじんまりした」という意味があります。
これはつまり「暴力的表現や非日常性をなるべく排除した世界観」で起きるミステリーです。日本でも近年「日常ミステリ」なんて呼ばれたりしますね。
街の中で起きたちょっとした謎や、学校で起きた不思議な現象などを、素人が解決していくのが特徴です。
有名な作品シリーズだと、
- アガサ・クリスティの「ミス・マープル」シリーズ
- 米澤穂信の「古典部」シリーズ
などがあります。
血なま臭いミステリーが苦手な人にはとっつきやすいジャンルとも言えますね。
ホラーミステリー
心霊現象における恐怖や超自然現象を伴うジャンルが「ホラーミステリー」です。
ただ単に怖いだけではなく、そこに謎を解くための要素が加わるとホラーミステリーと呼んだりします。
ホラーミステリーのなかで有名どころといえばやはり、
- スティーブン・キング作品
でしょう。映画「シャイニング」などはホラーミステリーの代表格とも言えますね。
このジャンルもきっちり分けるのは難しく、人間が犯人のストーリーでもその犯行方法が恐ろしかったり、異常性が高いと、その恐怖からホラーに分類されたりもします。
法廷ミステリー(リーガル・ミステリー)
司法の場で、検事や弁護士が主人公となって謎を解決していくのが「法廷ミステリー」。
またの名を「リーガル・ミステリー」ともいいます。
「自供した犯人だったが、実は無罪だった」など事件の真実に対して、法的な駆け引きや裁判の過程が描かれるものですね。
日本でも数年前に流行ったドラマ、
- 木村拓哉主演の「HERO」
- 堺雅人・新垣結衣出演の「リーガルハイ」
などが、いわゆる法廷ミステリーというジャンルに分けられますね。
小説の世界だと、法廷の知識を活かした現役弁護士の作家もいるようです。
医療ミステリー
医療の現場で起きた事件や謎を解明していくのが「医療ミステリー」です。
その名の通り、ストーリーの舞台は基本病院や診療所が多く、主人公はそこで働く医師や看護師だったりします。
作品でいうと、
- 山崎豊子の「白い巨塔」
が有名ですね。何度も実写化されているので見たことある人も多いと思います。
また、架空のウィルスなどが発生してパニックに陥った世界を描くなどSF要素がたびたび入るのも特徴。
医療ということで命を取り扱う内容が多いので、社会派に近い作品として紹介されることもあります。
SFミステリー
科学やテクノロジー。未来の世界や異星人。仮想現実を舞台としたバーチャル空間など・・・大きな枠で捕われがちなのがこの「SFミステリー」。
ファンタジーな世界でも一応SFミステリーとも呼べますし、特殊能力を持った高校生が登場する作品もSFミステリー。先ほど紹介したホラーミステリーですら、内容によってはSFミステリーです。
現代に囚われることなく世界観を作れるのでワクワクしたストーリーが多い反面、固有名詞を理解するまでに時間がかかる、といった弱点があるのもSFミステリーの特徴。
有名な作品でいうと、
- 映画「猿の惑星」シリーズ
- アンディ ウィアー の「プロジェクト・ヘイル・メアリー」
などがあります。
個人的には、エピソードの内容によっては「ドラえもん」もSFミステリーだと思っています。
スパイミステリー
他の国や組織に潜入し、情報を奪うスパイ。そんなスパイが活躍する「スパイミステリー」もジャンルの1つです。
スパイミステリーには「ガジェット」と呼ばれる特殊装備がお決まりのアイテムで、子供だけでなく大人も夢中になるのがポイント。
また「敵にバレたらお終い」、というハラハラ感から引き込まれやすいのも特徴と言えるでしょう。
有名な作品としては皆さんご存じ、
- イアン・フレミングの「ジェームズ・ボンド」シリーズ
- トム・クルーズ主演映画「ミッション:インポッシブル」シリーズ
が挙げられますね。
なぜかスパイには毎回美人な女性キャラクターが登場し、大人な関係になってしまうのも見逃せない特徴の1つです。
歴史ミステリー
歴史上の謎に対し、現代の視点から謎を解いていくのが「歴史ミステリー」です。
史実に対して本格的に切り込んだ作品もありますが、フィクションとしてエンタメ化した作品も多いのが特徴。
「昔迷宮入りしてしまった事件を再捜査する」のも歴史ミステリーの一種ですし、江戸で起きた事件を解決するというような「時代小説」も歴史ミステリーの一種と言えそうです。
有名な作品でいうと、
- ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」
- 万城目学の「プリンセス・トヨトミ」
なんかがありますね。
ちなみに。皆さんが気になっているであろう、あの番組。
そうです。「世界・ふしぎ発見!」あれも立派な歴史ミステリーです。
まとめ
皆さんのお好きなジャンルはなんですか?
今回はミステリーのジャンルを有名なものに絞り10個ご紹介しました。
ミステリーといってもいろんな特徴があり、人によって得意・苦手分野があると思います。
なお、実際はもっと細かく分けることも可能で、ただただモヤモヤしか残らない「奇妙な味」なんていうジャンルも・・・
奥が深いです、ミステリー。