「警部補 姫川玲子シリーズ」が大好きすぎるので、シリーズが面白い理由を考察し3つにまとめたので発表したいと思います。
作家 誉田哲也さんの人気警察小説といえば、『警部補 姫川玲子シリーズ』。
2023年12月までに11作品が発刊されており、累計発行部数は500万部を突破しているというモンスター小説です。
男社会ともいえる捜査一課にて、犯人を追い詰めていく女性刑事「姫川玲子」。彼女を取り巻くクセの強い同僚たち。発生する凶悪犯罪。グロすぎる殺害方法。闇が取り巻く警察内部・・・などなど。
「ん、ラーメントッピング全部盛り?」という濃厚でお腹いっぱいになる警察小説なのですが、その魅力はなんなのでしょうか?
その理由を考え、3つに厳選しました。
姫川玲子シリーズとは…?
姫川玲子シリーズの各作品に関してはこちらにまとめましたので、ご興味ある方はどうぞ。
「警部補 姫川玲子シリーズ」がおもしろい3つの理由
1:姫川玲子がカワイイ
『姫川玲子シリーズって何がおもしろいの?』と聞かれたら、即答する答えは
「姫川玲子がカワイイから」
です。
「警察小説としてリアルに書かれている」や、「犯人の心の描写が細かく描写されている」などをこのシリーズの魅力という人もいるでしょう。
それも間違ってません。事実です。
しかし「じゃあその魅力はどうやって発揮されているのか?」。そう聞かれたら答えはひとつ…
「姫川玲子がカワイイから」
しか理由はないんです。
これは容姿ではありません。「姫川玲子という人間が」です。
表面上、彼女はいわゆる「サバサバ系」で、仲のいい男性に対してはズバズバものを言うタイプ。
警察の捜査一課といえば男社会ですからね。何か言われても『知らないわよ、そんなこと』と言ってしまう強さ。
相手の年齢が上でも、性別が男でも、部下であればしっかり言う玲子。
しかし、少し職務を離れると・・・急に出てくる女性の部分。このギャップが激しすぎてカワイイが過ぎるんですよね。
飲み会の席で好意を持った部下に言われた『玲子は渡さんッ』というセリフに何も答えず。
【ただ顔を赤くしてコクンコクンと頷くだけ】
このギャップです。
しかし事件になると犯人に対し、相手が漏らすほどブチギレる玲子。
壁を思いっきりブン殴ります。
このギャップです。
でもケガをして入院してしまうと、お見舞いに来ると聞かない部下に対しては、
『こ、な、い、で。』
このギャップです。
つまり・・・
玲子が捜査一課という男社会にいるからこそ、刑事じゃ無いときの玲子がめちゃくちゃカワイイのです。
この小説シリーズの根本となるような設定なのですが、姫川玲子は超有能な刑事なんです。
自分の直感で突っ走ることもあるし、上司の指示を聞かない無謀なところもたくさんあります。
しかしその働きが実際に事件を解決し、若干27歳で警部補に昇進するのです。
27歳ですよ?27歳の時、あなたは何をしていましたか?
俺はBOOK OFFで「ハンターハンター」立ち読みしてましたよ。
そんな有能な玲子を捜査一課の面々は面白く思わないんです。
「若造が」「女のくせに」という声が止まらないわけです。もう普通の会社なら一発でセクハラですよ。
そんな状況に、玲子も苦しめられることがたくさんあります。あからさまに馬鹿にされたり、嫌がらせ行為をされたり。
しかし。
どんな状況でも刑事として正義の芯がブレないのが玲子なんですね。
まとめると、
刑事として戦う姫川玲子がカッコ良過ぎるので、普段の玲子がギャップで8倍ぐらいカワイイ玲子になる。
普段の玲子が8倍くらい増しでカワイイので、刑事としての姫川玲子がギャップで16倍ぐらいカッコ良くなる。
結果、「姫川玲子がカワイイから」おもしろいんです。
2:描写がグロい
姫川玲子シリーズの中でも、一番の人気作といえばそれは一冊目にあたる「ストロベリーナイト」でしょう。
これは、都内で発見された死体から、「ストロベリーナイト」という地獄のようなショーに繋がっていくスケールの大きな事件の話です。
これがもう、グロいんです。
初めて読んだ時は『えぇ…』と実際に声が出ました。そのぐらいグロいんです。
また6冊目の作品となる「ブルーマーダー」では、とんでもない方法で人が次々と殺されていきます。
読んでない方にとってはネタバレになるので詳しくは書きませんが・・・もう『いや、どういうこと?』状態です。
想像するだけで恐ろしいのですが、これが「怖いもの見たさ」というやつかもしれません。
グロいけど…ページをめくる手を止められない。
これこそがシリーズがおもしろいと思える理由の1つです。
3:姫川玲子がカワイイ
「いや、さっきも読んだよ?」
「あれ、デジャブかな?」
と思われてる方が多いと思うんですが、どうしても一番カワイイと思ったシーンを書きたいので、書きます。
それは姫川玲子シリーズ7冊目の本「インデックス」での1シーン。
シリーズで7冊目に出版された全8話からなる短編集。短編集としては「シンメトリー」に次ぐ2冊目。
その中の短編で、玲子が主任になって初めて捜査本部で号令をかけるシーンがあります。
一部を引用します。
『……気をつけ』
だが、思ったより声が通らない。
『気をつけッ』
振り返り、もう一度声を張り上げてはみたけれど、会議室は変にざわつくばかりで、まだ全体の半数も椅子から立とうともしない。
『きをツケェーッ』
挙句、三回目は途中で声がひっくり返ってしまった。
引用:誉田哲也「インデックス」光文社文庫
カワイイ過ぎませんかね、おいこら。
既にこの小説はシリーズ7冊目なので、【姫川玲子=カワイイ=好き】という図式は完成していたのですが、ここにきてさらにカワイイ玲子。
最初の『……気をつけ』がなんか小学生みたいでカワイイ。
最後の『きをツケェーッ』が日本兵みたいでカワイイ。
まあ他にもカワイイシーンはたくさんあるのですが、それはぜひ読んでいただいて探してもらいたいと思います。隠れミッキー探すみたいな感じで。
なお、このシーンで結局バカにされた玲子なのですが、「椅子から立たない他の捜査員に対し、部下の菊田がキレる」という活躍を見せます。
ただ、この時バカにしていた他の捜査員にキレていたのは菊田だけじゃありません。
俺もです。
姫川玲子シリーズを読もう
「警部補 姫川玲子シリーズ」は書籍ほか電子書籍でも読めます。読んだことない方で興味を持った方は、ぜひ。
また、姫川玲子シリーズのそれぞれの感想も書いています。
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