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『俺ではない炎上』を読んだ感想:SNSやってる人は全員読みましょう、強制です

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『俺ではない炎上』

もう小学生から読ませましょう。『ごんぎつね』もいいですけど、文部科学省はとりあえず国語の教科書を見直しましょう。

「私の好きな作家四天王」に入っている浅倉秋成先生の著書『俺ではない炎上』を読みましたが、なんでしょうね。これは。

ミステリー作品として評価された本作ですが、スゴイのはそれ以外の部分ですよね。とにかくリアルすぎる。

あの話の間に登場するエックス(旧ツイッター)の一言一言が本当にリアルすぎて、

めちゃくちゃ頭にきましたよ、俺は。

もうSNSやる人は全員この本読ませた方がいいと思います。特にエックスやっている人。

ちょっとイーロン・マスクに”Read this book, please.”って言いたい。ダイレクトメール出したい。



『俺ではない炎上』レビュー感想

まず最初に書きますが、自分は浅倉秋成先生の作品が大好きなんですよ。

デビュー作の『ノワール・レヴナント』を会社のトイレでサボって読んでいた時、面白くて止まらなくなり『もうクビにされてもええわ』と腹くくって読み続けたぐらい好きでした。

そしてその後、『教室が、ひとりになるまで』『九度目の十八歳を迎えた君と』と作品を読み、映画が決まった『六人の嘘つきな大学生』。

どれもこれもクセが強めなんですが、それがしっくりきてしまう凄さ。独特な世界観なのに、その世界観の中に入ったら出れなくなりそうなほどの心地よさ。

「小説っておもしろいな」と素直に思える気持ちよさみたいな…

読み終わった後に本の値段を確認して『安っ!!』って思えてしまうんだから。ホントありがたいわけです。

で、そんな私がやっと読んだ『俺ではない炎上』。

すごいですね、浅倉秋成先生。いや、先生を超えて教授。浅倉秋成教授。もう大学でいろいろ教えてほしい。学生と一緒に学食でランチをとるような優しい教授になってほしい。そして日本の教育界を背負っていってほしい。

そのぐらいおもしろかったです。

ただそれと同時にめちゃくちゃムカつきましたけどね。

多分読んでいた時間のうち8割ぐらいムカついてました。なんでお金払ってこんなムカつかなくちゃいけないんだ、と。いい加減にしてほしい浅倉秋成先生。いや、浅倉。なんてことを書いてくれたんだ、と。

何にって、あの本の途中に出てくるエックスの一言みたいなやつ、です。

あれ、リアル過ぎないですか?実際にエックスやってる人雇ったんですかね?そう思えてしまうほどのリアル。

あーこんなつぶやきしてる奴いるなぁ、が本気でリアルすぎる。

みんなめちゃくちゃテキトーなこと言うんですよね。さも自分は正義・正しいみたいな感じで。

今回は主人公のマラソンおじさんに感情移入しすぎて、そのエックスのつぶやきが刺さりまくるんです。こいつらテキトーなこと言いやがって、って本気でムカつくわけです。

あんな文章どんな顔して打っているのか。

「俺は悪くない」

「俺ではない炎上」ってどういう意味なんでしょう。

これは主人公の山縣さんが『犯人は俺じゃないけど炎上しちゃってるよ!』ってことなのでしょうか。

いや、たぶん違うと思います。

これは燃やしている側が『俺じゃない誰かの炎上だ、あははおもしれー』ってことでしょう。

この小説のキモとなる「俺は悪くない」、ここにつながっていると思います。

「俺は悪くない。だから何言ったって、何やったっていいだろ」って人間が炎上させてるわけですが…いやいいわけないだろ、って思いますよね、普通なら。

ただ考えてみましたが、そんな単純な話でもないんですよね。

「自分の意見を言う」ってことはそれによって誰かを傷つけたり嫌な思いをさせる可能性があるわけで。

「じゃあ自分の意見なんて言うな」って世の中になるとそれこそ昔に逆戻りしそうだし。

そうなったら私もこのブログ引退ですからね。この小説おもしろい、とかこの小説つまらない、とか言えなくなるわけですから。

まあ月間のブログ閲覧数が「48」とかですからね、引退も何もデビューすらしてないようなもんですけど。涙で画面が見えないですけど。

もうSNS、というかインターネットがなくならない限り「炎上」って行為はなくならないでしょうね。

となると絶対なくなることはないと思うので、結局使う側が良識ある使い方をしなくちゃいけなくなるんですが…そこは話が深すぎるんで、尾木ママとかにお願いしたいと思います。

尾木ママには日本の教育界を背負っていってほしいものです。