どんでん返しのある小説は好きですか?
犯人は「山田」だと思っていたのが実は「高橋」だった・・・
と思いきや真犯人は「源五郎丸真一郎」だったのです!
というような私たちの期待を大きく裏切るのが「どんでん返し」。読者が犯人や真相を推理する過程で、最終的な結末が想像の裏をいき、文字通りストーリー展開が「どんでん返し」になります。
そんなどんでん返しのある小説。それだけでも十分面白いのですが、実はさらに楽しむための方法があるのです。
ということで今回は、どんでん返しの展開に衝撃を受けすぎて「読書好き」になった私が、
自ら編み出した「どんでん返し系の小説をより楽しむためのコツ」をご紹介します。
情報を限りなくゼロにして読む
ネタバレはもちろんのこと、できる限り小説の「事前情報」をゼロにしたまま読みましょう。
どんでん返し系の小説の最大の価値は「どれだけビックリできるか」。というかこれが全てです。
なのでそのビックリの衝撃を奪ってしまいそうな情報は全て絶った状態で読み始めましょう。
理想を言ってしまえば「この本はどんでん返し系の小説」という情報も排除できれば完璧です。
ただこの理想を叶えようとすると、ランダムで本を選ばないといけなくなるので難しい。しかし理想論として言えばそうなります。
なので最近の本の広告文は意外と厄介だったりもします。
電車内にある広告や、本屋さんのポップ、本の帯なんかにデカデカと書いてあるこんな文章、ご覧になったことありますか?
「ラスト8ページ…とんでもないどんでん返しがあなたを待つ!」
いや、言うなよ。
何をページ数まで親切に教えてくれてんだよ、と。これ書かれてしまうことで、もうわかっちゃうじゃないですか。『あ、もうすぐビックリが来るぞ』って身構えてしまうじゃないですか。
仮にあなたが遊園地で「お化け屋敷」に行ったとしましょう。
まだ入ると決める前に「入ってから8歩進むと、ゾンビがあなたを待つ!」って言われたらどうですか?
8歩進んでゾンビが『ああああ…』って出てきても『ああ、どうも』ってなるじゃないですか。ゾンビの方も気まずくなっちゃって『あ、すいません。驚かせようとしちゃって』『いやいやいや、大丈夫ですっ!こっちも先に気づいちゃっててスイマ・・・』『いやいやいや!そんな!』
ってなるじゃないですか。
下手したら『いやーゾンビ、めっちゃ怖かったす!な?!怖かったよな?!』って気を使ってくれるカップルが現れちゃうかもしれないじゃないですか。
そんな職場だったらゾンビ役の人も、やりがい失ってフテ腐れちゃいますよね、ゾンビだけに。
なので、本当にどんでん返しを楽しみたいなら・・・
極力情報を入れない方向で読み進めましょう。本の帯や広告、レビューなんかも見ない。できればあらすじも読まない。
「とりあえずどんでん返し系の小説らしい・・・」、ぐらいの気持ちで読み始めるのが一番です。
ラスト20%からは一気に読む
みなさんはどんなペースで小説を読みますか?
毎日寝る前に少しずつ?通勤電車で行きと帰りに読む?休日にスタバで優雅に一気読み?
どんな読み方も素敵だと思いますし、小説のページ数によっても変わってくると思うので人それぞれでしょう。ちなみに私は「通勤電車で行きと帰り」が一番読んでいる時間です。
読むペースは人それぞれですが、どんでん返し系の小説を楽しんで読みたいのならば・・・
小説のラスト20%は一気に読みましょう。
最近電子書籍で読んでいる方も多いと思いますが、電子書籍だと「いま本の◯◯%」という表示がありますね。紙の本だと、どれくらい読んだか正確には分かりにくいかもしれませんが大体でいいと思います。
大事なのは「物語のラストは一気に駆け抜けろ」です。
ミステリーでは終盤になるにつれ謎が明らかになり、犯人が分かったり、トリックが明かされたりと、いわば物語の山場を迎えます。
どんでん返し系ももちろん同じで、言い換えれば「ラスト20%ぐらいからが1番おもしろい」ということです。
そんなおもしろい部分をコマ切れ状態で読むと、衝撃度も薄まります。また時間が空いてしまうと熱もその分冷めてしまいます。
なので仮に小説が80%、本の場合は目算で全体の8割ぐらいきたな、と思ったら・・・
「今この状況でラストまで駆け抜けられる時間と余裕があるのか」
を冷静になって一度考えてください。
もし難しそうならば、一度本を閉じましょう。そしてラストまで駆け抜けられるタイミングを待ちましょう。
私も通勤途中に80%程度読み終えてしまい、「これじゃ会社に着く前までには終わらないな…」とわかれば素直に本を閉じ、その日の夜、または休みの日の楽しみとして取っておきます。
そしていざ読むときは正座して読みます。BGMもなしで全集中してラストまで駆け抜けます。
そしてどんでん返しの衝撃で気絶。ここまでがセットです。
あえてバカになって読む
どんでん返し系の小説を読むときは、バカになりましょう。
もう鼻水垂らしながらでもいいです。楽しむためにはバカになりましょう。
以前チャットGPTに『どんでん返し系の小説を楽しむコツは?』と聞いてみたことがあります。
すると以下のような回答をくれました。
・登場人物の些細な行動やセリフに注目しましょう
・「何か意味があるかもしれない」と伏線を意識しましょう
・常識を疑い、予想しながら読みましょう
すごいですね。ただ、この回答はミステリー小説を読む時には正解ですが「どんでん返し系小説」を楽しみたいならば不正解です。
確かにミステリーを読み慣れてる方や、どんでん返しが好きな人は無意識に「これ何か意味があるんじゃないかな?」など気にして読むことが多いと思います。
私もちょっと気になることがあると数ページ戻って読み返したり、情報整理するために本を閉じて考えたりしちゃいます。
ビックリしたいから「どんでん返し系の小説」をわざわざ選んで読んでるくせに、
『犯人を絶対見つけてやる』
『絶対に騙されないぞ』
『勝負だ、東野圭吾!』
という謎の対抗心を持って読んでしまうのです。ミステリー小説が好きな方ならあるあるですよね。
しかしこの推測や伏線を意識しすぎることで、どんでん返しの威力を弱めてしまう可能性があります。ストーリーに入り込めず、身構えてしまうんですね。
また、「騙されたくない」と考えすぎて過剰に推理しすぎてしまい、結果大して驚くことができなかった、というパターンもあります。
これらは非常にもったいないですよね。
我々の予想を超えてとんでもないどんでん返しをかましてくる作家さんもたくさんいますが、どうせならどんな小説でもビックリして楽しみたいじゃないですか。
なので私は色々考えたり推測したりせず、思い切りバカになって読むことをおすすめします。
「あははーおもしろいじょー」ってぐらいのテンションで読みましょう。本気で犯人にイライラするぐらい思い切り感情移入しちゃいましょう。
そうすればどんでん返しの衝撃を120%味わえるはずです。
2周目に突入する
行きましょう、2周目行きましょう。
どんでん返し系小説というのは、2周目もある意味「本編」なのです。
『結末が分かってからなんておもしろくないだろ』と思っている方はもったいないです。2周目も楽しめるのがどんでん返し系の醍醐味と言っても過言ではありません。
結末を知ってからもう一度読み返すことで、新たな発見や伏線に気づけることが多いです。
「ああ、だからこの時母親はこんなこと言ったのか」
「うわ、確かに容疑者は「男性」とは言っていない」
と、最初に読んだ時には気づけなかった細かい点に目を向けることできるようになります。ここで作者の言葉使いの技巧や、ストーリーの意図を深く味わえるようになるのです。
2周目を読むと、最初に読んだ時と全然違う印象になる作品もたくさんあります。
可愛げのある青年だと思っていたのが、とんでもないクソ野郎だとわかり、本をぶん投げそうになる時すらあるのです。
なので読み終わった時にあなたが『うわー騙された!』とビックリした作品ほど、ぜひ2周目を読んでみてください。
なんなら3周目、4周目も行っていいんですよ。本を楽しみましょう。
おすすめのどんでん返し系小説
せっかく「どんでん返しを楽しむコツ」を書きましたので、私が読んだどんでん返し系小説でおすすめを紹介します。
定番といわれるほど有名な作品なので、読んだことがある人も多いかもしれません。
逆に読んだことない人はラッキーです。ぜひこちらのページから探しみてください。
まとめ
まとめます。どんでん返し系小説を楽しむためのコツです。
・前情報を限りなくゼロにして読む
・ラスト20%は一気に駆け抜ける
・あえてバカになって読む
・2周目に突入する
これからどんでん返し系の小説を読む方は、ぜひお試しください。
そして一緒にビックリしすぎて気絶しましょう。
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